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冨田勲さんさようなら …2016年5月12日

 現代音楽に大きな足跡を残された冨田勲さんが亡くなられました。その業績については広く知られていますので、今さら書くまでもないでしょう。黒吉が覚えているいちばん古い作品は、わが国でTVが普及し始めたころの海外ドラマシリーズ「名犬ラッシー」とNHKの人形劇シリーズ「宇宙船シリカ」の主題歌。どちらもいまだに歌えるくらい記憶に残っています。

 その後も黎明期のアニメ「ビッグX」やハイブリッド人形劇「銀河少年隊」をはじめ、「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「キャプテン・ウルトラ」「マイティジャック」など、若い頃夢中になった作品(の主題歌、BGM)は数知れず。本当にお世話になりました。

 初期のシンセサイザーによるアルバム「月の光」(1974)で世界的にブレイクしたあとは、アニメや特撮の仕事をあまりされなかったのが残念ですが、お願いしようにも製作費を考えると仕方なかったのでしょう。

 最後の大作になった「イーハトーヴ交響曲」で初音ミクを起用してくださったので、黒吉は大感激。TVでメイキングを見ると、若いスタッフと一緒になって、ミクを指揮に合わせるシステムの開発にたずさわっておられました。おかげでまたミクが一段階進化したので、本当にありがたいことです。

 今頃は銀河鉄道でのんびりと天国へ向かっておられることでしょう。将来、向こうでお目にかかってお礼を申しあげる日を楽しみにしていますよ。え、お前は行くところが違うのでそれは無理だって?そんな~!


(注)

・「名犬ラッシー」は賢いコリー犬と飼い主の少年が活躍する米国製ドラマ。1957~1966放映。番組の大ヒットにより、コリー犬を飼う人が増えたのはよいが、いい加減なブリーディングによるおバカ犬も激増。若き日の藤子不二雄コンビによる漫画化あり。

・「宇宙船シリカ」は1960~62にNHKで放映された人形劇(マリオネット)。若き日の星新一さんの原作で竹田人形座が演じました。天才少年が宇宙探検に参加し、その知恵で困難や危機をのりこえる話。コパイロットにロボットを使うなど、後の海外作品に先行する場面も多数。

・「ビッグX」は1964~65にTBSで放映。(原作では)ナチスが開発した技術で巨大変身して戦う少年の話。東京ムービーの第1作ですが、経験のなさが災いして悲惨な出来に。原作(手塚治虫さん)と冨田さんの音楽はよかったんだけど…。

・「銀河少年隊」は1963~65にNHKで放映されたSF人形劇(マリオネット)。衰えた太陽を再生する物質を求める少年の大冒険。これも手塚さんの原作を「シリカ」の竹田人形座が演じました。変わっているのは、本来なら特撮を使用するシーンを虫プロダクション制作のアニメで代用?していること。

・「ジャングル大帝」は1965~66にフジテレビ放映。原作はいわずと知れた手塚マンガの代表作。つくりは丁寧だけど、説教くさい脚本はどうにかならなかったものか?アニメとしては、パチもんの「ラ○オ○キング」の方がずっと出来がいいと言わざるをえないのがつらいところ。でも、冨田さんのテーマにのって展開する雄大なオープニングは今見ても心がふるえます。

・「リボンの騎士」は1967~68にフジテレビ放映。原作はこれも手塚さんの大名作。アニメの方は残念ながら、原作の宝塚風味もなく、少年マンガみたいになってしまって大がっかり。どっかでちゃんとリメイクしてくれい!でも、ブルーレイ版「イーハトーヴ交響曲」のアンコールが「リボン」の主題歌だったので大満足。

・「キャプテン・ウルトラ」は1967年TBS放映。「ウルトラマン」の終了後、「ウルトラセブン」ができるまでのいわばショートリリーフ的な特撮番組(円谷でなく東映制作)。悪質宇宙人と戦うスペースレインジャー(超人じゃない普通の人間)の活躍を描く。話も特撮も、パルプマガジン的なゆるさがほほえましく思えるようになったのは歳のせい?

・「マイティジャック」は1968年フジテレビ放映の特撮シリーズ。円谷プロダクション制作。万能戦艦MJ号で悪の組織Qと戦う11人の勇者たち。「サンダーバード」の向こうをはって和製のメカ・ファンタジーをつくろうという意欲はよかったのだけど、原作と脚本がお粗末だったのが敗因に。でも黒吉はいまだにMJ号が大好きで「館長庵野秀明特撮博物館」東京展(2013年)の会場では、巨大なプロップ(撮影用の模型)を前にただ滂沱の涙を流しておりました。

・最後の大作…だとおっしゃっていましたが、その後バレエダンサーと初音ミクが踊る「ドクター・コッペリウス」(2016年11月11日初演)をほぼ完成された後に旅立たれました。

・「イーハトーヴ交響曲」のブルーレイ版ではセガ・モジュールのミクが踊っていますが、初演ではどうも黒吉お気に入りのTda(ティーダ)式ミクが使われたらしい。そちらも見たかった!(追記:Youtubeのダイジェスト動画ではTda式ミクが踊っています)

・行くところが違う…家人に言わせるとおたく地獄かSF地獄だそうです。仲間連中もみんな行くから、さびしくなくてよいのだとか。そういう問題ですか?

 図版は冨田さんのアナログ・レコード(LP盤)の内、黒吉の手元に残っているものです。写真がうまく撮れず、発色が悪くて申し訳ありません。

 左は「子どものための交響詩 ジャングル大帝」(日本コロムビア、1966)。黒吉が所蔵するのは1967年の再版。ジャケットは子どもにオーケストラを教えるための教本を兼ねた、美しい絵本(手塚さん自身の原画による)になっています。

 右は映画「ノストラダムスの大予言」のサウンドトラック(東宝、1974)。原作も映画もトンデモな代物で、良かったのは由美かおるさんのヌードシーン(ほんのちょっと!)と音楽だけでした。

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