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ビバ!スターウォーズ …2016年4月1日

 記念すべき第1回は今さらスターウォーズ。「フォースの覚醒」の世評は毀誉褒貶あい半ばの印象で、古参のファンからは厳しい意見が多いようです。心配したほどひどくはないなというのが黒吉の正直な感想。あのJ・Jが撮るというので、まったく期待していなかったのが吉と出た?

 CGオンリーでなく、でかいセットやクリーチャーのマペットなどを使って、感触を大切にする画面作りは好感度高し。おっさん見直したぜ!と言いたいところだけど、新キャラクターがそろいもそろって魅力なしというのはいかがなものか。とくにヴェイダー・ジュニアがただのチンピラにしか見えんのが痛い。ま、次回作で暗黒面修行の成果を見せてもらいましょう。

 映画の出来映えはさておき、今回の問題点はもっと本質的なところにあるのですよ。何かというと、今まで発表されたすべてのスピンオフ作品を、正史(カノン)とは別の「レジェンド」に位置づけるとディズニーが発表したこと。早い話が、過去30年以上にわたり、主に小説で蓄積されてきた膨大な物語世界を黒歴史にされてしまったということであります。

 こらこら何ばしよっと!と黒吉は怒り心頭、怒髪衝天、茫然自失、右往左往、東奔西走、東方腐敗と大混乱。ディズニーは「観客に驚きをあたえる、まったく新しい物語をつくるために、一切の制限をなくした」と説明していますが、とんだ心得違いでしょう。結果は、あのてんこ盛りの既視感で一目瞭然。

 脚本家に限らず、クリエイターは制約があればこそ、何とか新機軸を盛り込もうと努力するもの。スターウォーズ世界の時空間は広い。いくらでもフロンティアは広がっています。そこを開拓するための手掛かりに満ちた、巨大なデータベースがすでにできているのに、利用しようという発想はなかったのか。黒吉はかなしい。

 と、初っ端から景気の悪い話になってしまいましたが、これからもよろしく。

 

(注)
スターウォーズのスピンオフ小説は市販本だけでも多いのに、ネットで流布しているファン・フィクションもあって、もはや全貌は見当もつきません。そういや我が魔窟にも翻訳書が結構あったなと確認してみると、なんと150冊!ジュヴナイル(年少向け)やヤングアダルト向けは買ってないのに、この有様です。

 おすすめは「スローン三部作」。スターウォーズ世界きっての名将スローン大提督が伝説のカタナ艦隊を率いて、新共和国を新たな危機に陥れます。作者はヒューゴー賞作家のティモシー・ザーン。新しい映画シリーズには大提督も皇帝の密使マラ・ジェイドも登場しないんだろうなぁ(ため息)。

第1部「帝国の後継者」Heir to the Empire(1991) 竹書房文庫1992年刊。

第2部「暗黒の艦隊」Dark Force Rising(1992) 竹書房文庫1993年刊。

第3部「最後の指令」The Last Command(1993) 竹書房文庫1994年刊。

※邦訳はいずれも上下巻。

 (追記その1)

 「通りすがり」さんからコメントをいただきました。
 『はじめまして!スローン大提督は、ディズニー公認の正史アニメ「反乱者たち」シーズン3に登場することが最近発表されたほか、ティモシイ・ザーン自身の手によるディズニー公認の正史小説「スローン」も発売予定とのことです。』朗報です!ありがとうございました!

 (追記その2)

 新作映画「スターウォーズ ローグ・ワン」が素晴らしい。ジェダイもフォースも出番がないけど、ちゃんとスターウォーズになっているじゃないか!独立愚連隊の主要メンバーそれぞれのキャラが立っていて、二度と出番がないのがもったいないくらい。往年のキャラクターも効果的にはめ込まれていて、最後の台詞で不覚にも涙してしまいました。